ACT 69. 新藝術祭革命——夢想者的交叉路

69期專題企畫

新芸術祭革命——夢みる人のクロスロード
Revolution of New Art Festival: Crossroad of the Dreamers

■ 企畫——港千尋、龔卓軍

《藝術觀點ACT》69期,2017年1月出版

專題導論

文——港千尋(2016愛知三年展藝術總監)
譯——呂孟恂

今日世界中で開かれている芸術祭は、数百にのぼると言われる。特に「ビエンナーレ」や「トリエンナーレ」という名称でそれぞれ2年ごと、3年ごとに開催される芸術祭は数多く、内容を問わずに小さなものまで数えてゆけば、数千にも及ぶのではないだろうか。これらのなかで規模の点でも、影響力としても重要な三つの芸術祭が並ぶのが、2017年である。1895年に始まった最古にして最大の国際芸術祭であるベネチア・ビエンナーレ、ドイツのカッセルを中心に開催されるドクメンタ、そしてやはりドイツ北部の町ミュンスターで開催されるミュンスター彫刻プロジェクト。それぞれ2年、5年、10年ごとの開催だから、10年に一度これらが並ぶ。ちょうど10年前の2007年ベネチア・ビエンナーレに日本館コミッショナーとして参加した際、わたしはこの三つの芸術祭を見る機会があった。それぞれ規模も歴史も性格も大きく異なるが、ひとつだけ共通しているのは、芸術祭は時代を映す鏡であり、アートを通して異なる意見やアイデアを交換する場所であるということだった。

現今在世界中進行的藝術祭的數量,可以說有好幾百個。而所謂「雙年展」、「三年展」等這種分別以兩年和三年為期準備的藝術祭特別多,若不仔細探究內容,連小型展覽都算進去的話,數量應該有達到數千個吧。在這其中,無論規模或影響力都相當重要的三個藝術祭,將同時於2017年進行。分別是1895年開始,在歷史悠久的藝術祭中,最大的國際藝術祭──「威尼斯雙年展」、在德國的卡塞爾舉行的「卡塞爾文件展」、以及位於德國北部的城鎮明斯特的「明斯特雕刻美術節」。因為它們各別於兩年、五年與十年開展一次,於是每十年的循環都能使其重疊一次。我正巧在距今十年前的2007年,以日本館策展人的身分參與威尼斯雙年展,因而獲得了同時觀賞這三個藝術祭的機會。它們彼此之間無論是規模、歷史抑或性格都有著很大的差異。在那其中只有一個共通點:藝術祭是一面反映時代的明鏡,是藉由藝術交換相異意見與發想的場所。

あいちトリエンナーレ2016の芸術監督として、まずわたしが考えたのは、いかにしてそのような場所を作れるかということである。2010年に初回を迎えて三年ごとに開かれるあいちトリエンナーレは、まだ3回目とはいえ日本国内では最大級となり、映画、音楽、舞台芸術やオペラを含む複合的な芸術祭としては、世界でも有数の規模を誇る。同時代の芸術を俯瞰する総合的な芸術祭の枠組みのなかで、作品の発表を通して、交流と交換の場所を作り出したい、その願いから出てきたのがテーマ「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」である。「キャラヴァンサライ」はユーラシア大陸を東へ西へと移動していた隊商が泊まる宿で、シルクロードからモロッコやスペインなど広く存在していた。わたしはトルコの西に残る18世紀のキャラヴァンサライを訪ねたことがあるが、壮麗な壁と広い中庭に泉のある立派なもので、かつてそこに集ったさまざまな国の人々が交流し、異国の品々を載せた動物たちとともに、詩や物語や音楽を交換する場所でもあったことが想像された。

身為2016年愛知三年展的藝術總監,我首要考量的是究竟如何去創造出那個場所。2010年開始的愛知三年展,今年才來到了第三屆,已經成為日本國內最大級的國際藝術祭。作為囊括影像、音樂、舞台藝術和歌劇的複合式藝術祭,龐大的規模在世界中也是屈指可數的。在俯瞰當代藝術的綜合型藝術祭的框架中,我希望能透過作品的發表,做出讓人們交流以及交換的場所,而從這個願望中脫穎而出的,即是此次的主題「彩虹的商隊驛站—人類創造之旅」。「商隊驛站」是在歐亞大陸中,給東西向移動的商隊休憩的住所,廣泛存在於從絲路至摩洛哥王國到西班牙的路途中。我曾拜訪殘留在土耳其西部的十八世紀的商隊驛站,那是一棟擁有壯麗牆壁以及在寬廣中庭有著噴泉的建築物,我想像那是一處聚集著運載異國物品的動物們以及來自世界各國的人們,彼此交流,交換詩歌、物語以及音樂的場所。

このキャラヴァンサライのイメージに託して、創造のための場所を作り出そうというのが、わたしたちの意図となった。創造する人間の旅というコンセプトには、先史時代以来、常に何かを創りながら前進してきた人間の姿が込められている。その創造の旅を引き継ぎたい。そしてどんな困難な状況下にあっても諦めず、たくましく生きる人間の姿を、アーティストの活動を通して捉えたい。参加した作家の数は世界各国から119組に及んだが、その八割以上が新作や未発表作をもって臨むという結果となり、まさに時代を映す鏡としての国際芸術祭が実現した。

寄託於這個商隊驛站的意象,想要建立一處為了創作的場所,成為了我們的意圖。「人類創造之旅」這個概念想要呈現的,則是史前時代以來,時常在創造出什麼之中同時前進至今的人類的姿態。我希望能夠承襲那樣的創造之旅。然後,期盼可以透過藝術家的活動體現無論遇到什麼樣的困難,仍然鍥而不捨、屹立不搖的人類的姿態。來自世界各國的參展作家達119組,並且其中八成以上是新作品,抑或是未發表過的作品,確實實現了作為映照時代的明鏡的國際藝術祭。

今回の『藝術観点ACT』の特集はあいちトリエンナーレ2016を入口にして、さまざまな観点から社会と芸術の関わりを考察するものである。冒頭にあげた国際芸術祭はどれも、都市の再開発や経済効果あるいは歴史をめぐる議論といった要素を含んでいる。たとえば世界遺産としても有名な観光都市ベネチアは都市の維持にかかる莫大な費用を観光収入に頼らざるをえないことで知られている。ドクメンタは第二次世界大戦時の記憶と向き合うことから始まっている。公共性を議論する社会的構築としての彫刻をテーマに捉えているのがミュンスターである。それぞれ特殊な歴史的背景があるが、空洞化するまちの活性化や再開発、それらと公共性の関係と無縁でいられる都市は、現実にはほとんどないだろう。

本期《藝術觀點ACT》主專題以2016愛知三年展作為入口,從各種觀點中考察社會與藝術之關係。本文開頭所提及的國際藝術祭,無論是哪個都包含著都市再開發、經濟效應抑或歷史相關的議題。例如作為世界遺產而有名的觀光城市威尼斯,其維持都市所需要的巨大開銷,必須仰賴觀光收入是眾所皆知的事。卡塞爾則是以第二次世界大戰時的記憶及其面對之事作為文件展的開端。而明斯特是以做為社會建築來議論公共性的雕刻為主題。儘管說它們各自擁有其特殊的歷史背景,但現實中,幾乎沒有任何都市,能夠不牽連到活化與再造空洞化的社區,並處理其公共性的關係。

芸術祭と企画展が異なるのは、この点である。今日の芸術祭は、つくり手の幅がそれ以前とは比較できないほど拡大し、制作においてもイベントにおいても、参加型の性格を強めている。その意味で芸術祭は、アートと社会が互いに相手の姿を映し出す鏡でありながら、互いを変えてゆくような「試行の場」へと変わりつつあるように思う。都市再開発やコミュニティ再生という課題は、作品やプロジェクトを通して、あいちトリエンナーレでも議論されることになった。「虹」が多様性とスペクトルを表すように、参加したアーティストの出身は幅広くジャンルや表現方法も多岐にわたるが、それぞれの土地に共通する点も少なくない。それらのなかから共同性、共感覚、記憶といったテーマに沿って、今回『芸術観点ACT』特集の構成を考えた。

藝術祭與一般展覽的相異之處即在這點。現今藝術祭動員人力的範圍之廣闊,已經遠遠超過從前,無論是在製作上還是在活動企劃上,都加強了參與型的性格。在這意味之下,我想,藝術祭做為一面明鏡,讓藝術與社會相互映照出彼此的姿態,與此同時,也逐漸成為一個「試行場域」,讓藝術與社會能夠改變彼此。都市再開發、共同體再生等課題,藉由作品和計劃,在愛知三年展中也引起了議論。有如彩虹的多樣性與光譜顯像一般,儘管參加的藝術家出身自許多不同的地方,風格與表現方法也大有歧異,但在其各自的土地上並不缺乏共通之處。在那其中,我沿著包含共同性、共感、記憶等元素的主題,思考了本期《藝術觀點ACT》主專題的架構。

1、
あいちトリエンナーレはふたつの美術館(愛知県美術館、名古屋市美術館)を中心に、まちなかにある既存の建物を使いながら、名古屋市、豊橋市、岡崎市と広域で展開することを特徴としているが、そのなかでも名古屋にある「長者町」は2010年の第1回目から会場になってきた。かつては日本で有数の繊維問屋街だった長者町が、産業構造の変化によって衰退しながらも、トリエンナーレの会場となることで、アートのまちとして変化を遂げてきている。会期中長者町の堀田商事ビルで行われた「コレクティブ・アジア」というプロジェクトや、トリエンナーレとまちづくりの関係性、《大愛知なるへそ新聞》の活動などを取り上げて、アートを軸にした協同を考察する。

1、
愛知三年展以兩座美術館(愛知縣立美術館、名古屋市立美術館)為中心,在使用原本都市中既有的建築物的同時,也在名古屋市、豐橋市與岡崎市等地跨域展開為其特徵,在這其中位於名古屋的「長者町」從2010年第一屆愛知三年展即成為會場之一至今。長者町曾是日本屈指可數的纖維批發街,因產業結構的改變而衰退時,成為三年展的會場,作為藝術的社區逐漸演變至今。因此特別強調在展期中位於長者町的崛田商事大樓進行的「Collective Asia」計畫、三年展與社區營造的關係,以及《大愛知深入探索報》活動等,考察以藝術為主軸的共同合作。

2、
「人間の移動」をテーマにすえたことから、今回は北海道と沖縄という日本の縁にあるふたつの地域からのアーティストが共同して、ひとつの展覧会をつくる「交わる水−邂逅する北海道/沖縄」と題されたプロジェクトが生まれた。どちらの地域も日本の近代化において大きな変化を受け、いまも軍事基地をはじめとしたさまざまな問題を抱えている点でも共通している。北海道や沖縄を拠点に活動するアーティストの作品、さらには台湾や韓国など東アジアからの作品を紹介しながら、近代を再考するアーティストたちの視点を辿ってみたい。

2、
以「人的移動」為核心主題的緣故,因而產生這次來自北海道與沖繩,位於日本兩端地域的藝術家,一起協作了「相交之水—北海道與沖繩的邂逅」展覽計畫。無論是哪個地域都在日本現代化的過程中承受劇變,現今也有以軍事基地為開端衍生出各種問題的共通點。我們嘗試介紹以北海道與沖繩為活動據點的藝術家的作品,進一步介紹台灣、韓國等東亞的作品,與此同時,試著追尋再考現代的藝術家們的視點。

3、
既存のジャンルを越境して、新たな表現領域を開拓するアーティストも今回のトリエンナーレでクローズアップされた。文学とメディア、伝統芸能と現代音楽、翻訳と料理といったように、実験を重ねながら独自の世界を切り拓く姿勢は多くの観客に刺激を与えている。そうしたアーティストも紹介している。

3、
我在此次愛知三年展中聚集了跨越既存的風格表現、開拓嶄新表現領域的藝術家。像是文學與媒體、傳統藝能與當代音樂、翻譯與料理。這樣,在堆疊實驗的同時,開墾特異世界的姿勢,給了許多觀眾刺激。本期主專題中,也介紹了這些藝術家。

今回の特集は『藝術観点ACT』とわたしが編集長を務める『ART BRIDGE』とのコラボレーションとして実現した。「水交社都市記憶ワークショップ」や沖縄への取材など、さまざまなアートの取り組みに橋を架けてゆく『ART BRIDGE』のネットワーキングを通じ、『藝術観点ACT』編集長の龔卓軍氏といくつもの活動を共にしていたことが、今回のコラボレーションにつながったが、言語の壁を越えて雑誌メディアの協同が実現することも、芸術祭の成果のひとつではないかと思う。

這次的主專題實現了《藝術觀點ACT》與由我擔任主編的《ART BRIDGE》的共同協作。透過「水交社都市記憶工作坊」、沖繩取材行動等在各種藝術平台間架起橋樑的《ART BRIDGE》的網絡,與《藝術觀點ACT》的主編龔卓軍老師共享了許多活動,進而推動此次的共同協作,我想著:這樣超越語言之壁在雜誌媒體上共同協作的實踐,不也正是藝術祭的成果之一嗎?

アートとは、物質と時間と身体との、相互的な影響と変形の探究である。それは自分の手と土以外に素材がなかった先史時代においても、人工知能による創造性が議論される今日においても変わることはない。アートの力が社交や集会を通し、翻訳と編集を通し、来るべき変革へ寄与することを信じなければならない。共感から理解へ、理解から協同へ向けた、わたしたちの旅は始まったばかりである。紙のうえのキャラヴァンサライは、すべての方角に対して開かれている。

所謂藝術,即是對物質、時間和身體之間的交互影響以及變形進行探究。無論是在史前時代,除了自己的一雙手與土之外不擁有任何素材,抑或是在今日藉由人工知能使創造性引起議論,藝術這件事都沒有改變。我們只能相信藝術的力量透過社交與集會、透過翻譯與編輯,會對即將到來的變革產生貢獻。從共感朝向理解、從理解朝向協同合作,我們的旅程才剛開始。紙上的商隊驛站,正朝著四面八方展開。


港千尋 Chihiro MINATO
1960年出生於神奈川縣。攝影師、著述家、多摩美術大學資訊設計學系教授。Art Bridge Institute總監。國際交流基金國際展事業委員。以群眾、記憶等文明論為主要命題持續廣域地進行研究、作品製作、策展、出版、計劃等活動。著有《革命的做法》、《做夢者的十字路口:藝術與記憶的場所》(平凡社)等書多部

2016愛知三年展
彩虹的商隊驛站—人類創造之旅
展期:2016年8月11日-10月23日
主要會場:愛知藝術文化中心、名古屋市立美術館、名古屋市 (長者町會場、榮會場、名古屋車站會場)、豐橋市 (PLAT會場、水上大樓會場、豐橋車站站前大道會場)、岡崎市(東岡崎會場、康生會場、六供會場)
主辦單位:愛知三年展實行委員會

藝術總監:港千尋

當代美術展
策展主任:拜戶雅彥
策展人:金井直、服部浩之、Daniela Castro、Zeynep ÖZ

影像展
策展人:越後谷卓司、濱治佳
表演藝術策展人:藤井明子、唐津繪理
製作人(製作歌劇):水野學
普及教育:伊藤優子
官方設計:永原康史


專題企畫
朝向藝術祭的未來 ■ 港千尋 ■ 譯︱呂孟恂
開放傷口.雖死猶生──《土之人》的生死循環影像 ■ 龔卓軍 ■ 引言︱港千尋+呂孟恂
探索現代痕跡之旅:從亞洲邊陲場所開始──岡部昌生X港千尋對談 ■ 整理|關川步 ■ 譯︱洪韵筑 ■ BOX︱蔣伯欣
味道的翻譯 ■ 關口涼子 ■ 譯︱沈亮慧
質疑方法論、與其呼應的身體──賴志盛創作訪談 ■ 整理︱趙純惠 ■ 譯︱呂孟恂
朝向社會的提問、朝向歷史的視線—─韓國現狀及宋相禧創作訪談 ■ 整理|趙純惠 ■ 譯︱鍾宜芳
移動與想像的方法論:Kio GRIFFITH■ ART BRIDGE ■ 譯︱鍾亦芳
作為噪音的傳統——愛知三年展中的青木涼子《秘密之閨》■ 林立騎 ■ 譯︱呂孟恂
朝著嶄新影像之森突進,裁切的每處都來自於沖繩的水脈——
高嶺剛X 親泊仲真《變魚路》訪談風對談 ■ 越境廣場 ■ 譯︱羅皓名
宣言(演繹)電影:奇拉.塔西米克 ■ 許芳慈

COLUMN PROJECT專欄計畫
「相交之水—北海道與沖繩的邂逅」 ■ 端聰+町田惠美 ■ 譯︱羅皓名+周芝羽
「Collective Asia」■ 服部浩之+江上賢一郎+小山冴子+趙純惠 ■ 譯︱周芝羽+莊子謙+陳怡婷
連結城市裡的微小記憶——大愛知深入探索報編輯部 ■ 關川步 ■ 譯︱莊子謙
社區裡連續不斷的藝術祭:延藤安弘 ■ ART BRIDGE ■ 譯︱沈亮慧 ■ BOX︱盧建銘
魔幻的起點:感覺性的建築學——打開聯合劉國滄訪談 ■ 整理︱編輯部


編輯台的話︱從藝術祭閉幕後啓程的旅途 ■關川步+呂孟恂

鐵甲元帥與我 ■ 許家維
影像紙上展覽︱幻燈簡報電影 008——想像的共同體批判或光屍影骨新天使 ■ 企畫︱張世倫 ■ 文.圖︱高重黎
影像評論|在白色閃光與黑色導片間的歷史負像學 ■ 張世倫
邊界藝術論(下) ■ 鶴見俊輔 ■ 譯︱林暉鈞

【交陪影像:台灣攝影史的民俗誌】延伸企畫
我們能在民俗攝影的影像表現機制中將影像的生產機制固定下來嗎?■ 王柏偉
關於「交陪影像」論的一些反芻(或,作為問題意識的民俗攝影實踐)■ 張世倫


召集人|孫松榮
主編|龔卓軍、蔣伯欣、孫松榮、林暉鈞、林欣怡、林巧芳
專題主編|港千尋、龔卓軍
企畫主編|關川步、呂孟恂
執行主編|陳威儒
執行編輯|莊宗憲、雷文茹
美術編輯|張幸子、蕭佑任
義工|林芷荺、黃迺足、李傳柔、閻望雲、蕭鈺、黃皓妍、尹子潔、王浩宇

藝術觀點ACT|2017年1月出版